トップページ  » 読書ブログ  » 河上肇 貧乏物語 どれだけ働いても抜け出せない絶対的貧乏

2016.06.18 SAT - 読書ブログ

河上肇 貧乏物語 どれだけ働いても抜け出せない絶対的貧乏

FullSizeRender 82

最早古典となった河上肇の貧乏物語を読んだ。これを読んで私は自分の会社のスタッフにこう伝えた。

君らは働いたらお金が稼げる、豊かになる、貧乏から抜け出せる。そう思ってるかもしれない。でもそれは幻想だよ。いくら働いてもずっと貧乏。絶対的に貧乏だよ。100年前に書かれた本にも書いてある。

おおよそ、社長からスタッフに伝える言葉としては意味不明の言葉なんだけど(笑)でも、伝えた。河上肇さんというのは東京帝国大学出身の京都帝国大学の教授。その人が貧乏物語というベストセラーを書いたのが2016年現在の100年前、1916年。そこにこう書かれている。

FullSizeRender 81世間にはいまだに一種の誤解があって「働かないと貧乏するぞという制度にしておかないと、人間はとにかく怠けて仕方がない。だから、貧乏は人間を働かせるために必要なものだ」というような議論があります。しかし、少なくとも今日の西洋における貧乏は、決してそういう性質のものではありません。いくら働いても貧乏から逃げることができない、「絶望的な貧乏」なのです。

と書かれてる。いくら働いても絶望的に貧乏!なんて夢も希望もない。でも事実だ。それは私が年間1億稼ごうが、スタッフが300〜1000万円稼ごうが、同じく絶望的な貧乏だ。上場してお金が沢山あるように見える起業家達も同じように貧乏だ。

世界のお金の流れからしたら年収1000万も1億円も10億円も全部貧乏。

日本の金融庁が統計した店頭デリバティブの想定元本は約3,900兆円ほど、BIS・国際決済銀行が統計してる店頭デリバティブの想定元本は6京円だか7京円だか、もう何だか分からない数字になっている。これらはレバレッジを効かせて100億円の現金で1兆円とか10兆円のお金を動かしている金融の世界。

下記は日銀より抜粋
http://www.fsa.go.jp/news/27/20160127-1.html

derivative

これに比べたらもう、全部貧乏でしょう。そしてこういう世界で稼いだ人達がパナマ文書とかにあるようにタックスヘイヴンにお金を動かして社会にお金を還元せず個人にお金を集中する。そこに租税回避されたお金は500兆円とか3,000兆円だか・・・消費税増税で税収が数兆円増えても誤差でしょう。超大金持ちが税金をタックスヘイブンに逃して、一般人からは消費税などでお金を集め、そしてそれが社会保障に使われる。

しかも、アメリカなどは事実上企業献金の上限額が撤廃されてるのでこうした企業が政府を買収するなんてお茶の子さいさい。詳しく知りたい人は堤未果さんの貧困大国アメリカシリーズなどを読むとコーポラーティズムの事について書いてある。

狂ってるね(笑)こんな世界で年収を1,000万にしたい、1億にしたいとか思って頑張ってる人も同じように狂ってる。世界は年収1,000万だろうが、1億だろうが、10億だろうが全部貧乏人、お金を目的にする時点で既にクソゲーに参加してる。チートキャラがいるのに一生懸命努力して勝てると思ってるくらい無理ゲー。

そんな世界で

お金を目的にして働く

ことがいかにバカらしいことか。そんなことを目的にして働いてしまうからお金の稼ぎ方すら見えなくなる。

こんな世界で

年収アップを目的に自己啓発書

を買う事がいかにあほくさいことか。そんな理由で読書をするから100冊読んでも年収が上がらない。

何故仕事をするのか?

お客さんに喜んでもらうため。社会に喜んで付加価値を提供するため。

それ以外存在しない。

なぜ、読書をするのか?

楽しいから

それ以外存在しない。河上肇の貧乏物語読んで思ったけど、世界は100年前よりもっと酷くなってる。んで、しばらくこれは続く。政府に期待しても無駄。どこかにヒーローを望んでも無駄。そんな世界で家族を守り、社会に喜んでもらうサービスを考え、そして経済的にも最低限自衛していくためには

お金目的で働かない
お金目的で読書しない

これを徹底するしかない。お金が目的になった途端、読書で入ってくる知識は途端に狭くなる。お金という欲望が入った途端、自分が興味があるのはお金を増やすことだけになるので、読書から知識が入ってこない。その結果、どれだけ読んでも

で、私は金持ちになるのか?
で、私は楽になるのか?

しか入ってこない。しかし、皮肉なことに、金持ちになったり、経済的に自由になる人は『お金のために』働いてない。これはちょっと考えれば分かる事だけど

著者の金儲けのために書いた本

著者が伝えいたいモノを伝えるために書いた本

どっちのほうが価値があるだろうか?どう考えても後者だろう。本だと分かりにくなら町のレストラン。

金儲けのために経営されてるレストラン

美味しいご飯を食べてもらい、笑顔になってもらうために経営されてるレストラン

あなたがお客ならどっちのほうが行きたい?私なら後者だ。それを突き詰めていくと結果的にレストランは繁盛するだろう。無論、商売に絶対はないのでそれでも潰れるかもしれない。ただし、価値を出してるのは金だけをみてるところではない。

金だけを見続ければ見続けるほどお金は稼げなくなるし、ますます貧乏になる。しかもどれだけ稼いでも、例え100億円かげても世界から見れば貧乏人。そんな世界でなんのために働き、読書するのかって本当に大切だ。

でも厄介なことに無意識は強烈なので

なるほど!そうやって読めば私の年収は上がるのか!私は楽になるのか!

と思うのでよっぽど自分を吟味する必要がある。それがまた、楽しんだけど(笑)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

清水 有高

清水 有高Yukou Shimizu

ビ・ハイア株式会社 代表取締役

一ヶ月1,500〜3,000冊の読書をする読書家。昭和53年12月23日 滋賀県出身。滋賀県立大学人間文化学部卒業。2001年 人材紹介会社の創業メンバーの一人として営業担当取締役として活動。2005年 プロダクションアイジー(アニメ制作会社)に転職。経営企画室に配属。その後、2005年12月にビ・ハイア株式会社を設立。

新着記事

人気ランキング