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2016.05.06 FRI 読書ブログ

人間関係に悩む人へ 母が子どもの脳を作り替える『母という病』岡田尊司著

仕事を辞める一番の原因は人間関係


「転職の理由ランキング」というものを各求人媒体が毎年発表しているのをご存知でしょうか?そして、転職の理由にも本音と建て前があり、企業側が聞いている転職理由と、各個人の本音ベースの転職理由には乖離があります。就転職業界最大手リクナビ調べによると、本音ベースの退職理由のほとんどが、金銭などの条件面ではなく人間関係によるものだという結果が出ています。しかし、そうした本音は企業側には伝えず、建前として「キャリアアップしたかった」や「仕事の内容、労働環境に不満があった」と伝えるべきだと、リクナビが同ページで紹介しています。なぜ、本音で本当に不満に思っていることを言えないのかと言えば、やはり後ろめたいからでしょう。人間関係で悩むのは自分勝手だという思いがあり、社会的には許されないと考えがちだからではないでしょうか。誰しも苦手な人、好きな人がいます。そういった好き嫌いは人間関係を構築していく過程で自ら身につけていくものだと思っているからこそ、自分都合を会社に押しつけてしまうことが後ろめたいのです。しかし、そうした人間関係の好き嫌い問題は、個人の問題ではなく母親からの洗脳で脳を作り替えられてしまっているからこそ起きる問題であり、それは「母という病」であると論じているのがこの本です。

今、社会人になり悩んでいる人間関係問題が、個人の責任ではなく実は幼い頃から母親にインプットされてしまっている病気なのだとしたら・・・おそらくショックを受けるでしょう。いま、あなたが思い通りに行かなくて会社を辞めざるを得ない状況に追い込まれているのも全て母親のせいなのです。特に、人間関係が原因で転職を繰り返してしまっている人は、一度母親との関係性を考え直してみた方が良いかもしれません。

私の受けた母親の洗脳

幸いなことに、私は大学3年時から今の会社にインターンとして入社し、現在まで辞めずに6年〜7年勤めています。まだ10名以下の小さな会社で、かつ社長が私の仕事の能力を認めて学生インターンから役員まで押し上げてくれたおかげで、のびのびと自分の裁量を持って働かせてもらっています。しかし、ここに至るまでの間に様々な思い込みと制約で自分を縛り、悩んだことが無かったかといったら嘘になります。

例えば、母は私を褒めない親でした。テストで100点を取っても、算盤の大会で入賞しても、塾で一番頭が良いと先生に褒められたと報告しても「あっそう。普通でしょ。」という態度です。ひどいときは目も合わせてくれませんでした。その結果、私は自分に完璧を求めました。何をしても褒めてもらえないのは、私が思っているよりも母の基準が高いからで、もっともっと頑張らなければ。そう考えて常に0か100かの世界に生きていました。100点を取れなかったら、それは0点です。100点を取れず母親に認めてもらえない私はダメな子どもなんだと常に自分を貶め、100点のために頑張れない自分を責めました。友人と遊ぶことも、罪悪感に駆られるのでできませんでした。外で思いっきり遊ぶと叱られると思ったので、常に家の玄関先で友達と立ち話をするか、勉強をするふりをして余白に絵を描いていました。それだけがささやかな楽しみでした。

ooyama仕事を頑張らない人が許せない

とうとう学生時代、母親に褒められることはありませんでした。自分を責めて追い込んでは挫折し、辛い思いをして歯を食いしばりながらも達成できないという状況が続き、高校も大学も受験は失敗しました。母の求める国公立大学の法学部には結局進みませんでしたし、大学の専攻も出版・編集学と私が幼いことから好きだった漫画に関わることを仕事にしようと自分で歩き出したと感じていました。結局、出版社への入社は叶わず就職活動を初めた最初の頃に偶然見つけた「アニメ・ゲーム・漫画業界の黒子になる」というキャッチコピーに惹かれて現在の会社に入社しました。漫画に、間接的にではあるけれど関わることができるというのは私にとって非常に嬉しい仕事場になりました。

しかし、仕事を始めるに当たって子どもの頃の完璧主義が頭をもたげることになります。この会社では入社前に学生インターンが一定の営業成績を上げる事によって内定が出るというシステムでした。他にも私以外に9名のインターン生がおり、それぞれ助け合いながら営業成績を上げていくことになるのですが、こともあろうか始めて1週間もしない内に1名、また1名と辞めていくのです。一緒に頑張っていこうと団結したはずの同期たちが仕事で何の成果も出さない内に「なんか違う」と言ったり会社の悪口を言って辞めていくことが許せませんでした。「なぜ、認められるまでやりきることができないのか?」辞めていく本人達と話すことも嫌悪感に駆られてできないままでしたが、心の中で激しく怒っていました。

最終的にインターン生として成果を出し、内定を取れたのは私だけでした。会社は、最後まで粘り強く成果を求めて頑張った姿勢を評価してくれました。しかし、私としては最初に提示された条件よりも長く時間がかかってしまったことに不満でした。お情けで期間を延ばしてもらい、ようやく内定を出してもらった。自分には能力が無い。そう、思い込んでいました。そしてそれからも新人が入ってくる度に、私の基準で頑張れていない人を見てしまうと許せない気持に支配されました。

Fotolia_93587622_Subscription_Monthly_M-330x220-1-330x220自分も出来ていないから・・・とため込むクセ

そんなにまで他人に対して怒っているのに、それを本人に注意という形で伝えたのは、数えるほどしか有りません。それは、「私もできていないし、そんな人間からもっと頑張れと言われても聞いてくれるわけが無い。」という思いからでした。思い返せば幼少期、褒めて欲しくても褒めてもらえなかった子どものころ、母は「私に何か意見するならまずはちゃんとやりなさい。」と言っていました。私の中で、他人から褒められるような働きをしていない限りは、何か意見を言うことは許されないとインプットされていたのです。そして、反面教師のように目に見えて「頑張れていない人」を見ると、きちんとやれていない自分を見ているようで腹が立ったのです。そうして他人を鏡にして自分に対して腹を立て、それを外に発散することもなく「なんて私はダメなんだ」とため込んでいった結果、自分への不満を消化しきれなくなり、何をしても会社に貢献出来ていないし、そんな能力なんてないと思い込んで爆発しました。

社長に対して、突如「辞めたい」と申し出たのです。表向き、「会社の将来性が」とか「条件面が」と言ったことを口にしましたが、裏返して本音を見ると「私は会社の将来を背負うほどの能力が無い。」「私は評価されるに値しない。」というものでした。私は私を自分で勝手に縛り付けて自己評価を落とし、自分で苦しんでのたうちまわっていたのです。そして、そういう風に表明することによって「そんなこと無いよ、君は頑張っている。」という意見を社長からもらうことで、母から得られなかった褒め言葉を得たかのような安心感を得ていました。自分で自分の自己評価を下げて周りを映し鏡にして苦しんだり、褒められることで一端の安心を得るような人間関係は、全て幼少期に母から埋め込まれた呪いに起因する歪んだ人間関係です。

他人が悪いのではなく、原因は自分と自分の過去にある

いま、母からの呪いの言葉のせいでこうなっているとわかっていなかったら、おそらく怒りの対象の人物や事象を変えて怒り続けては自己嫌悪し、また「辞める」と言い出していたと思いますし、社長に母親を重ねて褒め言葉をもらうことを目標に頑張り続けていたかも知れません。また、もし今の会社を辞めたとしても他の会社に入って同じ事を繰り返すでしょう。転職を繰り返しても、人間関係で悩んでまた辞めてしまうのと同じです。人間関係で悩む原因は、環境や対象の人が変わることでは解決しません。全て、自分の感じ方考え方に問題があるのであり、その考え方を植え付けて洗脳したのは母である可能性が非常に高いのです。思い当たることが有る人は、ぜひこの本を読み、過去にさかのぼって考えて見てください。子どもの頃からのしがらみを解き放って、大人になって解決する鍵はそこにあります。

コメント

大山 莉加

大山 莉加Rika Ooyama

ビ・ハイア

ビ・ハイア株式会2010年に正式入社。 千葉県茂原市出身。昭和62年11月19日生まれ。 専修大学文学部2010年卒業。

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