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2016.05.03 TUE - 読書ブログ

毒親との向き合い方と解放のために 『長女はなぜ「母の呪文」を消せないのか』大美賀直子著を読ん

image記事を読んでいただきありがとうございます。一月万冊の大下周平です。今回取り上げるのは『長女はなぜ「母の呪文」を消せないのか』という大美賀直子さんが書いた本についてです。毒親の中でも特に母親と長女の関係性において取り上げた本となっています。自分にいまいち自信を持つことが出来ず、なにをやってもうまくいかないと考えている女性の方には是非読んでみて欲しい本です。そうなってしまった理由が何処にあるのかが、この本を読むことで気づきを得られるきっかけになると思います。

私自身は男であり、第1子でもないですが、長女であり第1子の姉を持つ身としてこの本を読んでみました。女性同士仲が良く買い物や映画などよく一緒に出かけたりしていましたし、時には旅行に行ったりもしていたので、そう考えるとこの本のケースにはかなり合致していると思います。本の冒頭に書かれている母親の呪文として、カウンセリングの際に頻出する五大呪文があります。

1.「あなたのためなのよ」
2.「やりたいことも我慢して、あなたを育ててきたのに」
3.「お母さんが出来なかったことを、あなたにしてほしいの」
4.「あなたさえいてくれれば、もう何もいらない」
5.「お母さんのいうとおりにしていれば間違いはない」

これらの呪文をいわれ続けた娘や息子はどのように育っていくのでしょうか。その答えはすでに書いた別の毒親の本の書評にもありますが、自信をなくし、一人では何も出来ず、誰かに頼ることでしか生きられない子どものような大人になってしまいます。1~5の例はわかりやすいですね。4以外は、あなたのためと言いながら、危険なもの、価値観のあわないものを取り上げることができます。そして子どもが望まないものを強要することも出来るでしょう。すべてはあなたのため、それが間違いのないことであり、やりたいことも我慢して、お母さんの出来なかったことをしてほしいから。そう言われて断ることの出来る子どもはなかなか居ません。良き子どもでいよう、母親の愛情を獲得しようと思えば思うほど、この要求は受け入れることが当然であり、拒絶するなんていけないことであり間違ってもしてはいけないことだと思ってしまいます。

親子関係、母と娘の関係において重要な気づきとして言えることは、親の期待を裏切っていいということです。そして親のせいにしていいということです。さらに言えば親のいうことを聞いて人生がうまく行くなんていうことは大きな過ちであると気づくことなのです。そもそも親の生きてきた時代と今私たちが生きている時代は大きく違います。現在私の年齢は37歳ですが、両親が生きてきた時代は戦後の高度成長期の真っ只中であり、いろんな景気の波にもまれつつも、国としては朝鮮戦争の特需などの影響もあり、経済的に発展を遂げていった時代です。

学校で誰かにいじめられているという話をしたときに、そんなのは喧嘩して思いっきりブン殴ればいいという類の話を聞きましたが、一切解決に結びつきませんでした。喧嘩できるぐらい、ぶん殴ることができるぐらいの度胸があれば、最初からいじめられてもいません。私はあなた(親)ではないです。子どもの視点、私の視点が欠けています。そして社会人として働くためにぶつかった壁は就職氷河期です。大学卒でさえ職につくのが困難な時代です。一方で両親の世代では地方から上京してきた中学生が金の卵としてもてはやされており、現在とは大きく異なっています。にもかかわらず親は自分の成功体験を子供にも当てはめようとします。それは無意識的に行われています。だからこそ余計にたちが悪く、うまくいかないのは子供がきちんとしていないからだとはなから決めつけています。就職に関しては特に親から言われたことはありませんが、友達の話を聞いているとそういった事例がいくつかあり、子ども側もそれに反発していました。

親に対して、なにかうまくいかなかったことを親のせいにすると聞くと、すごく悪いことをしていると感じてしまうかもしれません。それはある意味正常な感覚でもあり、異常な事態とも言えます。毒親という特徴に一切該当しないという人はなかなかいないでしょう。少なからずなにか合致する部分があるはずです。であれば、本人が気づく気づかないに関係なく毒親の影響を受けているのです。親にも言われたことがあるかもしれませんが、他人の迷惑をかけてはいけないよ、他人の嫌がることをしてはいけないよというフレーズを耳にしたら、それはそうだと思いませんか?であれば、親に迷惑をかけられたのだから、嫌がることをした親のせいだと、迷惑なことをした親のせいだということ自体に何か問題があるのでしょうか?単に親をせめろというわけではありません。本にも書いてあることですが、そういったことを考えたときに湧き上がる感情と向き合うことが大切です。親のせいだなこれはと、冷静に判断できる精神状態が正常な状態です。兎にも角にも親のせいにしてしまうなんてなんだか悪いなというのは異常なのです。そう思ってしまうときに改めてなぜそう思うのだろう、本当に悪いことなのだろうか、この感情はどこから来るのか、そういったことを客観的に考えてみましょう。

毒親から脱出するためには、がんじがらめにされている抑圧された本音を解放する必要があります。その本音はいろんなところに隠れています。私もまだ気づいていない何かがきっとあると思います。それらは自分のことを大切に思い、これからの人生をどのように行きたいと思うのかについて真剣に考えたときに、ぱっと意識に上がってくるでしょうし、さらに進んでいけば、親との過去の出来事なんて些細なこととして一切気にならなくなるでしょう。そうなれば毒親から脱出できたと思っていい。自身に子どもがいるのであれば、次は自分が毒親にならないよう細心の注意を払って自分の子どもと向き合いましょう。子どもがいない人も子どもがいる人も、毒親からの呪縛で苦しんでいる人を救ってあげましょう。最終的に救えるかどうかは本人次第ですが、きっかけを与えることぐらいはできると思います。そのために今回の本やそれ以外にも毒親に関する本は多数出版されていますので、進めてあげてください。

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大下

大下 周平

一月万冊の清水と大学時代からの友人。ゲームが好き。清水にはじめて『こいつには絶対格ゲーで勝てない・・・!』と悔しがらせた男。彼と代表が対戦して勝てる可能性は5%以下。月に100〜300冊ほど読書をし、清水の会社で執行役員としても活躍!

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