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2014.03.08 SAT - 読書ブログ

『経営者VS労働者』で捉えると間違えるブラック企業問題

ブラック企業問題に関する本をここ最近数十冊以上読んだ。365日間24時間文句を言わず働いてくれる従業員がいたらどれだけ助かるだろうか。これは経営者がもっている本音だろう。しかし、この本音が叶うことはない。それは、365日間24時間文句言わずただひたすら奉仕をしてくれる嫁さんがいたら・・・という夢も叶わないし、365日間24時間文句言わず家族サービスもして給料全額妻に渡してくれる旦那がいたら・・・という夢も叶わないのと同じだ。だれもそんな夢は叶わないと知っている。それでも、どこかで持ってしまう身勝手な本音がある。その本音と、他人の幸せと、両方を叶えるために普通の人なら試行錯誤して生きているのだろう。

しかし、365日間24時間文句言わず働け、は本音として厳然としてある。でも、この問題を『経営者VS労働者』というくくりで捉えたら絶対に解決できないだろう。むしろ、この問題を本当の意味で起こしている存在は労働者がわかりやすい敵として経営者にターゲティングし、経営者もわかりやすく労働者と敵対する。そういう風になってしまったら『この問題の本質的要員としての支配者層』はほくそ笑むばかりだ。

ブラック企業問題というのはかつての奴隷制度を思い出させる。かつて、黒人奴隷を支配した際、上手い奴隷の支配者層は自分たちの手を汚さなかった。黒人達の中から『奴隷リーダー』『奴隷長』のような人間を選抜し、彼らに他の奴隷よりいい待遇を与え、同じ黒人に黒人奴隷達に鞭を振るわせ、支配させた。そうすると、黒人奴隷達の憎しみはわかりやすい黒人奴隷リーダーに向く。そうすると本当に支配している白人達に憎しみが向きにくい。白人支配者層は黒人奴隷リーダーと黒人奴隷がいくらいがみ合って殺し合って、憎み合っても知らん顔。

今の『経営者VS労働者』のブラック企業問題はそれを感じさせる。これはもっと大きな視点で見てもそうだ。例えば『東京電力VS日本国民』も似たような形だ。東京電力は、アメリカの原子力発電メーカーから原子力発電機を購入して、今回地震と津波がきっかけで問題を起こした。色々と本を読む限り、もともと日本に導入された原子炉自体に問題があったりしたらしい。

私達がタクシーに乗って、そのタクシーの運転手はきちんと運転していたが、そのタクシーの自動車自体のブレーキに製造上の欠陥があり、事故を起こした。その時、罰せられ、責められるべきはタクシーの運転手か、それとも自動車メーカーだろうか?私はタクシーの運転手にもある程度の責任追及(メンテナンスしていたかなど)はあるけど、根本的にはブレーキが壊れるような物を作った製造メーカーに責任があると思う。

例えるなら

運転手→東京電力
自動車メーカー→原子力発電メーカー

だ。しかし、不思議なほど、原子炉を作ったメーカー自体は殆ど表に出てこないし、賠償金請求されたという話も聞かない。日本国民はひたすらネットでも東京電力を叩き、そっちのほうに話題が行かない。まさにわかりやすい『VS東京電力』という構図に持って行かれてしまっている。

『経営者VS労働者』
『東京電力VS日本国民』
『政治家VS日本国民』
『若者VS高齢者』
『貧困層VS富裕層』

という分かりやすい物は、本質的なモノから目をそらすためのプロパガンダの可能性が高い。本質的原因はどこかに必ずある。それはマスメディアから情報を摂取しているだけでは絶対に気づけない。だからこそ、読書が必要だ。今日も読もう。

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清水 有高

清水 有高Yukou Shimizu

ビ・ハイア株式会社 代表取締役

一月万冊 清水有高(しみずゆうこう)滋賀県出身。元不登校児、母子家庭育ち。ビ・ハイア株式会社代表取締役。滋賀県立大学人間文化学部卒業。ベンチャー役員、上場企業役員などを経験しコーチ、投資家、経営者として活動中。東京大学を始め各種大学でも講演多数。コーチングと読書を経営に活かし営業利益1億円以上、自己資本比率70%の会社を経営。8年間でスタッフ1人あたりの営業利益を100倍以上にする。

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